
(
amazon)
・テキサスの田舎町からニューヨークへやってきた平凡な女の子・ケイティ。理不尽な仕事ばかりを押しつける上司にへとへとになりながらも、ルームメイトたちと都会の自由な生活を満喫しています。
彼女の目下の悩みは、大都会ならではの不思議な出来事を、涼しい顔をしてやりすごさなければならないこと。田舎者だと思われないように、口を開けないっ、上を見上げないっ、あのヘンな服はきっとコスプレなんだわ、あーあーあー…(見ないフリ見ないフリ)。…って一生懸命目をそらすのですが、教会上空の「いたり、いなかったりする」ガーゴイルの彫像、地面からちょこっと浮いてるように見える妖精コスの女の子、パンフレットを配るニワトリ男…、どうみても格好悪いのに周りの友達にはあか抜けて見えるらしい男…き、気になる。
両親から「ニューヨークは怖いところだ」と散々言われてきたケイティですが、実はこの不思議な現象、彼女の特殊な資質によるものだったのです。ああ、自分は「免疫者」―自分で魔法を使うことは出来ないけれど、魔法の影響を受けない人―だったんだ!
・現代もしっかり生き残ってる(笑)魔法使い向けに、古代から伝わる魔法を現代向けにアレンジして卸す、MSI(魔法製作所…ちなみに株式会社)の検証部員として転職することになったケイティが、自分の「いいところ」に気付きながらがんばる話。…おおざっぱだな。
・自分には何の取り柄もないわ、と思いこんでた女の子のサクセスストーリーはたくさんあるけど、そこへ魔法がからんでるのは、本作くらいじゃなかろうか。
しかも、魔法的素質が全くない人が魔法製作所で必要とされてるっていうのが面白い設定ですよね。普通の人は、自分で魔法を扱うほどの魔力はないけれど、魔法にかかっちゃうくらいの魔力はあるんだそう。
もちろんそのへんのだまされ加減は魔法使いも同じ。だから、魔法使い同士の契約なんかの塲に免疫者が立ち会ってくれると、相手がズルしてないか確かめられるというわけ。一見逆説的だけど、理にかなった話。そういえば、ニューヨークでケイティが目撃したのは“一般市民”のフリして生活してるそっちの世界の住人たちの本来の姿だったんですね。
・この魔法製作所、名前と扱ってる商品こそヘンなものですが、商品開発のしかたや取引そのものは現代的。開発部が何度も検査してOKが出で、且つ買った人だけに効果が出るように威力を調節した安全な魔法を売ってます。普通にお店に陳列してあって、ドルで取引されてます。手品を楽しむ人向けのお店に並べてあるそうですよ。
ただし社員たちは魔法使い&そっちの住人。手をふれずに空中からコーヒーを取り出したり、都合のいいタイミングで地下鉄を駅に到着させたり…普通の人とはちょっと違う常識の中で生活してるものだから、商品の「売り方」までは知らない。で、実家の飼料店を切り盛りしてたこともあるケイティのちょっとした提案が気持ちいいくらいに当たるんです。「宣伝の仕方を考えよう」とか。免疫者じゃなかったとしても、出世したんじゃないかなぁ。
・研究開発部のリーダーで、なにやらものすごい魔法使いらしいオーウェンと、免疫者の弁護士でMSIの法律顧問を引き受けてくれたイーサンの間でちょっと両手に花のケイティの恋の顛末も気になります。
続編も買わねば。