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・「
古王国記」以来ファンタジーって読んでないわー(あ、水滸伝もファンタジーか?)、ということで〈永遠の戦士エルリック〉シリーズ。例によって私は全く知らなかったんですが、ムアコックさんて有名な方らしく、知ってる本屋さんにはどこも置いていました。〈
氷と炎の歌〉シリーズで挫折した過去を思い出しながら購入。ぶぶ分厚い…。でも表紙はどの巻も美しいですねー。5巻の表紙が好きです。
・この巻には表題作『メニルボネの皇子』、砂漠の民を救うため、夢盗人と夢の世界に冒険に出る『真珠の砦』の2つの物語が収録されています。
・かつては世界中を力と恐怖で支配していたメニルボネ帝国ですが、エルリックが皇帝になった今では首都イムルイルのある竜の島のみを領土とする、弱小とはいわないまでも小さな国となっていました。財宝の眠る伝説の国、くらいの扱いです。
メニルボネ人特有の残酷さ、好戦的な性質を表に出さず、本を愛し、思索にふけるのを好む…色々な点でメニルボネ人らしくない皇帝エルリックのことを多くの人は変わり者だと思っています。その中でも婚約者サイモリルの兄であり、エルリックの従兄でもあるイルルクーンは特に彼を憎み、自分こそがルビーの玉座に相応しい、とエルリックに反旗を翻します…(『メルニボネの皇子』)。
・エルリックは作中でも“白子”という三人称で書かれることがあるんですけど、乳白色の髪に骨のように白い肌、深紅の瞳を持っていて、外見上も普通のメニルボネ人と違うんです。
ああ美しいなあ。で、この外見は他のキャラとは彼は違うんだ、という作者のアピールでもあると思うんですが^^;血統の良さは勿論、他と比べてずば抜けて魔法に通じているし、剣術だって相当なもんです。私はネットゲームをする時、趣味でよく細身のキャラに長剣とかでかい武器を持たせますが、そのまんまの容姿なんですね。ストライクゾーンど真ん中。
でも…
虚弱体質。冒険の最中も強壮剤をしょっちゅう飲んでます。メニルボネ人として虚弱なのかと思いきや、薬がきれると本当にダメダメになるんです。砂漠の真ん中で薬をきらして行き倒れたり、文字通り死にかけちゃう。
・でもそんな体に宿っているエルリックの精神の方は、自身の弱い体や人の魂を吸い取る魔剣・ストームブリンガーを制御しようと努力できる強靱さを持っています。常に善くありたい、その真摯さが竜の島の外を旅し、斜陽の帝国となってしまったメニルボネ帝国のためになる何かを学びに行きたい、という衝動を引き起こすのです。1年って期限はきったけど、皇帝の座を捨てて単身知らない国に行くって凄いことですよね。
・メニルボネ人としての誇りとその頽廃的な文化への嫌悪感、ストームブリンガーの力を厭わしく思いながら、魔剣の力がないと生きていけない体の弱さ等々色んな思いの中でもがくエルリックの生き方は、「○○な人」ってわりとひと言で表せちゃう、小説世界の住人の中ではいちばん人くさいのかも。
・メニルボネの首都であり、〈夢見る都〉という異名を持つイムルイル、ストームブリンガーが安置されていた〈脈打つ洞〉、砂漠の町クォルツァザート、それから夢の世界等々、観光的にも(笑)見所たくさんのエルリックの旅、これから楽しみです。